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シュンデンタルクリニック

シュンデンタルクリニック

[北海道 函館市 2016年]

函館市郊外に建つ歯科診療所併用住宅である。敷地周辺は、5年ほど前より大規模な土地区画整理事業が行われており、当該敷地も計画当初、造成工事の最中であった。
また周辺の宅地は、土地条件付という形で販売が行われ、今後数年間に渡り区画整理が進み、日本全国どこにでも見られるような新興住宅地が形成されていくということが想像できた。
余条件を整理していくにつれ、新しくできる風景の入口にあたるこの場所に作る建築が、どのようなものであるべきかということを強く意識していくようになった。
区画整理された1つ1つの土地の大きさから想像される住宅の大きさを考えたときに、大きく作られた建築が、街並の中の地域に寄り添う存在である診療所として相応しいものとは考えられず、また抑圧された環境や風景を生み出してしまうことを懸念した。
そこで、全体のボリュームを10坪程度の直方体6つに分節し、それを敷地の形状や方位、環境に馴染ませるように、扇形に開いていく平面形とした。
主道路側に計画した診療所部分のボリュームは高さを抑えることで、周辺の宅地に配慮しつつ、圧迫感を和らげた形とし、奥に2層からなる住宅を配置した。
扇形とすることで、各ボリュームの狭間には外部空間が入り込み、多様な内部空間を生み出すことができる。
精密な作業を必要とする診療室内は、北側に開かれたエッジから安定した光が注ぎ込まれ、落ち着いた内部空間となる。
奥側に配置した住宅は、少し閉じたエッジ形状の1階には、落ち着いた空間となるべく寝室を配置し、南側に大きく開いたエッジ形状の2階はLDKを配置することで、それぞれ適切な光が注がれる空間となった。
住宅の2階からは南側に函館山、北側には駒ヶ岳を望むことができ、四季折々の変化を感じることができる豊かな空間となっている。
建築を作るという行為は、その街並や風景を変化させたり、生み出すことに直結しているが、この建築が新しく区画整理される住宅地において、1つの風景となり、新しい土地の記憶となることを期待している。

建築概要

建設地
北海道 函館市
用途
歯科診療所・住宅
工事種別
新築
設計期間
2012年5月〜2015年8月
工事期間
2015年11月〜2016年5月
家族構成
夫婦+子供2人
構造階数
木造2階建
敷地面積
843.54m²
延床面積
292.57m²
設計監理
弘田亨一設計事務所 弘田亨一

Photographs : TRACKS & STORES Inc.